最近では、MSXシステムの起源は、良質の同人開発の面で2番目の若者を抱えていることです。 MOAI-TECHは、日本のユーザー(およびwebzineの寄稿者)である本名荒井tyr105店員と話をして、システムの始まりとコミュニティの現在について話しました。

MOAI-TECH: MSXとの出会いを教えてください。

本名荒井: 1986年の正月からです。もともとお年玉でカシオのカッコイイ腕時計·データバンクを買うつもりでした。ところがうちの両親が「お前に腕時計はまだ早い」と言って買うのを許してくれなかったものだから、かわりにMSXを買ったのでありました。もしあのときデータバンクを買っていたら、MSXユーザーやってません。

tyr105店員: 私が小学校の低学年の頃、クラスの同級生のほとんどがファミコンを持っていたので、自分もファミコンが欲しいと親に相談しました。父親は「ファミコンなんかよりもパソコンの方が良い。もう少し大きくなったらパソコンを買ってあげる」と言いました。初めてMSXを見たのは、父親の友達が経営する小さな電気店で、ATARI の PONG を真似たゲームが動いていたのを覚えています。次に、パナソニックの新商品展示会で、スクランブルエッグというゲームが動いていましたが、あまり面白そうに思えなかったので、その時は MSX に魅力は感じませんでした。

初めて手にしたMSXはどの機種でしたか。

本名荒井: カシオMX-10。安かった上、手軽に買えたからです(ショーケースでデータバンクの隣で売られてた)。拡張RAMカートリッジ·OR-216を挿して使ってました。奇しくもデータバンクと同じくカシオの製品です。カシオは大好きだい!

tyr105店員: パナソニックの MSX2 FS-A1 です。前の項目にも登場した、父親の友達の電気店から購入しました。一緒に購入したゲームはロマンシアです。子供の私には難し過ぎるゲームでした。

ゲーム、音楽、グラフィック等々、MSXを何に使っていましたか。

本名荒井: ゲームプログラムをたくさん打ち込んではよく遊んでました。当時はパソコン雑誌が数あったので、容易にMSXのプログラムを手に入れては入力することができたのです。雑誌はマイコンBASICマガジン、ポプコム、MSXFANを購読してました。そんなにお小遣いがなかったので、なんでも市販のゲームソフトを買えるわけではありませんでした。

tyr105店員: 作品として発表出来るまでには仕上がりませんでしたが、音楽、CG、プログラムなどほとんどの事に使いました。MSX2 の時はほとんどゲーム機として使い、MSX2+ ではワープロとしてもよく使いました。

アクティヴィジョン等、欧米のゲームのいくつかは、日本でもテープやROMメディアで発売されていました。それらソフトウェアは日本ではどのように受けとめられていましたか。

本名荒井: 日本ではそんなに有名でなかったようにおもいます。それら作品は確かに良いものではありましたが、一部のゲーム通が賞賛するにとどまっていました。日本のユーザーの大多数は国産のゲームに夢中で、海外製のゲームにはあまり興味がありませんでした...そりゃ、日本にはファルコムやT&E、エニックス、コナミ、ゲームアーツ等々、優れたソフトハウスが数ありましたから。

tyr105店員: 80年代は MSX の雑誌は買っていませんでしたので、情報を入手する手段が無く全く知りませんでした。

1990年代初頭、MSXが市場的に滅亡を迎えつつあった頃の、日本のMSX界の全般的な雰囲気はどのようなものでしたか。

本名荒井: 多くのMSXユーザーはMSXの衰退を残念に思っていました。しかしその一方で多かれ少なかれ、諦観もしていました。MSX FANでは新作ゲームの記事が減ったかわり、プログラミングやマシン語、レトロゲームの記事が増えました。もはや有力ソフトハウスやメーカーにMSX界の活性化は期待できず、「僕らのMSX」を守るためにはユーザーが自分たちでなんとかするしかない。そんな寂しさを含んだ覚悟のような雰囲気があったとおもいます。

tyr105店員: MSX が衰退し始めた年ではありますが、MSX2 から MSX2+ へとグレードアップし、フロッピーディスクや FM 音源が使えるようになったので自分としては活気に溢れた時期でした。周りにはパソコンを持っている友達がいなかったので、他の人の評価はわかりません。しかし、一般的なパソコン雑誌では、MSX は役割と終えたとか、性能が低いので馬鹿にするような扱いだったのは覚えています。自分が MSX が商業的に終わったと感じたのは、1995年の MSX-FAN が休刊した時です。

Syntaxや似非職人工房のように、滅亡のみぎりであっても、イベントを継続したり、自前のプログラムやハードを開発するユーザーやグループが存在していました。そうしたイベントに参加したことはありますか。それらイベントはどのようなものでしたか。

本名荒井: 面目ない。参加したことがありません。この手のイベントは、東京や大阪のような大きな都市で開かるのがたいがいでした。大都市から遠いところに住んでいた自分にとって-田舎在住で就職前の加えてお金もない(泣)少年が-こうしたイベントに参加するのは難しいことでした。またその頃はインターネットやスマートフォンにECなんてものもありませんでした。こうしたイベントに参加できる人間はごく限られていた上に恵まれていたのです。

tyr105店員: Syntaxさんや似非職人工房さんのイベントにはどちらもよく参加しました。私は田舎に住んでいたのでそれまで他の MSX ユーザーには会ったことが無く、大変アットホームでしたし刺激的でした。私が初めて参加したイベントは、1995年7月に行われたMSXキャラバンです。MSX-FANが休刊する前に、MSXユーザー間の横の繋がりを作る為に日本の全国で行われたイベントで、私は仙台会場で何故かスタッフとして参加してました。

その頃、スペインやオランダのような国々(80年代、フィリップスを通じてMSXが大規模に普及した国)でも、MSXの存続を願う運動がありました。その頃のヨーロッパMSX界について、何かご存じでしたか。

本名荒井: これまた面目ない!存じ上げておりませんでした。25-30年前、日本に海外のMSX情報がもたらされることはほとんどありませんでした。当時インターネットはありませんでしたし、雑誌でごくわずかな情報を得られたばかりでした。「あぁ、海外にもMSXユーザーっているんだな。」程度の。

tyr105店員: MSX-FANに少し記事が載っていたので知ってましたが、それ以上の事は知りませんでした。

現在、ブラジルやアルゼンチン、メキシコ等のラテンアメリカ諸国でも、MSXに関する活動が見られます。それらについて何かご存じですか。

本名荒井: あまり知りません。いくらかの実力派ユーザーがいるということぐらいです。確か「メカ八」の作者さんってメキシコ人でしたよね?

tyr105店員: ブラジルはTecnobytesさんが有名ですね。以前 PowerGraphLight を購入しました。アルゼンチンやメキシコは知りません、興味深いです。

現行·旧版にかかわらず何でも、オランダ·スペイン·ラテンアメリカ製のハードをご存じですか。

本名荒井: 名前だけならちょっと知ってます。MOONSOUNDやMIDI-PAC等...でもひとつも持ってません。

tyr105店員: 80~90年代のハードは全然わかりません。最近のハードはMSX RESOURCE CENTERより情報収集していまして、幾つかを購入したりもしています。どなたも快く日本に発送して頂き、有り難いです。

ヨーロッパ製のゲームについてどうお考えですか。

本名荒井: スゴい! すばらしい! 賛嘆するばかりです。30年以上前は、ヨーロッパ産のゲームは非常に難しくて不条理というイメージがありました。さらに日本には優れたゲームがたくさんありましたから、ヨーロッパのゲームには見向きもしませんでした。80年代の和製ゲームは世界一でしたから(ごめんなさい!)。でも今や、ヨーロッパにもあまたの腕利き開発者がいて、われら日本人もうらやむような素晴らしい作品を作っています。おもえば彼ら開発者の方々も、「80年代の最高の和製ゲーム」を遊びこんで育ち、すっかり精通しているんですよね。ヨーロッパのユーザーの和製ゲームに対する情熱には驚かされます。有名なコナミやコンパイルはもちろん、システムサコムやヘルツといったマイナーどころまで! そんな彼らが和製ゲームへの敬意とともに作った作品がスゴいのは当然です。

tyr105店員: 大きなフィールドを探険するゲームが多いですね。ピットフォール、ジェットセットウィリー,ナイトシェードなどなど…大変新鮮でした。

今でもMSXをお使いですか。

本名荒井: 半分「はい」で、半分「いいえ」です。現在使っているのは、blueMSXやopenMSXなどのエミュレーターです。現在MSX実機は使っていません。手持ちの実機がすっかり壊れてしまったので(泣)。実機欲しいんですけど… さておき、自分の主な用途が、80年代パソコン雑誌のゲームプログラミングなので、エミュレーターで十分間に合うし、実機より便利がいいからというのもあります。

tyr105店員: もちろんです!

ファミコンやPC-88、X68000等、他のハードを使っていましたか。

本名荒井: はい。ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジンを使ってました。でもそれらはMSX滅亡後に手にしたものです。

tyr105店員: 1993年頃にファミコンを買うまでは MSX のみでした。MSX 以外のパソコンは、 X68000や PC-9801 を友達から安く売って貰い使った事もありますが、主に使っているパソコンは今も昔も MSX です。ゲーム機はほとんど購入して遊んでいますが、最近は遊ぶ時間がありません。

例年開催されるMSX用フリーソフトゲームコンテスト、MSX Devをご存じですか。

本名荒井: はい。出展されるゲームの質の高さには驚かされます。日本にはこういうコンテストがないのでうらやましい限りです。

tyr105店員: もちろん知っていますし、公開された作品は遊んでいます。パッケージ化された作品を MATRA から購入したりもしています。

MSX Virtualizerプロジェクトをご存じですか。

本名荒井: はい。1台欲しいです。(2019年に購入可能な)新しいMSX実機はとても魅力的です。でもエミュで十分間に合ってるので、自分には不要かなという気もします。

tyr105店員: 1台申し込み済みです。完成がとても楽しみです。

お時間を割いてお答えいただきありがとうございます。

本名荒井 と tyer105店員: どういたしまして。